白煙対策

 冷却塔は地域冷暖房やビルのインテリジェント化などにより、夏期に限らず四季を通じて稼動する事が一般的となりました。
冷却塔の排気は、外気が低い時や湿度が高い時に白煙状態になる事があります。
この「白煙」と呼ばれるものは、冷却塔の排気中に含まれる水蒸気が、外気によって冷やされ凝縮し、微小な水滴となり白く見えるものです。空港・高速道路・鉄道などの交通施設や都市環境において、視覚的におよぼす影響が少なくありません。
「白煙」が大気汚染をおこしているという誤解を招かないためにも、公共性の高い建築物や産業施設には「白煙の出ない冷却塔(白煙防止型冷却塔)」の採用が増えております。

白煙防止システム

白煙防止型冷却塔は、湿式熱交換器(充填材)内に空気専用通路(乾式熱交換器)を設置し、ここからの高温で乾いた空気と、充填材を通過した湿った空気を混合させる事により、効率よく白煙の発生を防止します。

湿り空気線図

(1)は外気、
(2)は湿式熱交換器を通った空気
(3)は乾式熱交換器を通った空気
(2)と(3)はファンの働きによって適切に混合され(4)となって冷却塔外に排出されます。その後(4)は外気と混合してその混合割合により(4)から(1)へ変化します。この時、線(4)-(1)は飽和曲線と接触しないため「白煙」とはなりません。
※(2)と(3)の混合が完成するのに多少の時間を必要とするため、白煙はシリンダー上1D程度離れた所から消える事となります。(シリンダー直上の白煙は消えません。)
ただしファン径が2.0[m]以下の場合は、2.0[m]以内で白煙状態がなくなります。

湿り空気線図

白煙防止性能

白煙高さ ・・・・・・・ 1D程度(1D=ファン直径)
外気条件 ・・・・・・・
外気乾球温度(D.B.) : 冬期0[℃] 中間期20[℃]
相対湿度 : 冬期60[%]以下 中間期90[%]以下
熱量 ・・・・・・・
SPC : IN37~OUT32~W.B.27[℃] 水量13L/min (4.535kW)
SPW : IN37.5~OUT32~W.B.27[℃] 水量17L/min (6.523kW)
※ 外気乾球温度(D.B.):0℃ 相対湿度:80%もご注文にて応じます。

ランニングマニュアル

冷却塔は循環水入口温度と外気湿球温度の差によって冷却塔する装置です。従って冬期には温度差が広がり、そのまま運転しますと夏期の熱量の2倍以上の能力が出るケースもあります。そのような状況では白煙の消失度が低下しますので、運転に支障のない範囲で以下のような対策を実施してください。

循環水量を抑える

湿式熱交換器の効率を下げる事により、冷却塔排出空気温度を低くし、これに含まれる水蒸気量を少なくします。

循環水入口温度を下げる

循環水出入口温度の差が少なくなるため、冷却塔排出気温も低くなり、これに含まれる水蒸気量も減少します。

<注意> ファンをインバータ制御にて運転すると白煙発生の原因となる事があります。

実施例

循環水の入口配管と出口配管の間を連通するバイパス回路を設け、冷却塔の水量を制御します。

利点1

ファン発停による温度コントロールでは、熱を貯めた状態でファン起動する事になり、白煙が多量に発生する場合がありますが、バイパスコントロールでは起きません。

利点2
温度及び熱量を同時にコントロールする事により、外気条件仕様より悪化した場合でも、有効に白煙の発生を防止できます。

実践例

白煙発生防止運転の際の注意事項

白煙防止型冷却塔においても白煙が発生する状況が生じる場合のケースとしては以下の事項が考えられます。

外気条件が白煙防止設計条件を超えている

冬期 : 乾球温度が0℃以下で相対湿度が60%以上
中間期 : 乾球温度が20℃以下で相対湿度が90%以上
等の基準を超えている場合。
外気条件が設計条件より厳しい日の運転で白煙の発生量を少なくするには、その間の熱負荷を下げる対策が必要です。

循環水の温度制御を風量制御により行っている

風量を下げ循環水温度を上げると、空気側の吐出温度が高くなり、外気との温度差が大きくなるため白煙が発生します。
バイパス制御運転方式に替え、冷却塔ファンは100%連続運転するようにして下さい。

パイパス制御を行っているが、設定温度が高い

バイパス切り替えの設定温度が高いと風量制御時と同様吐出空気温度が高くなり、外気との温度差が大となるため白煙が発生します。
できるだけ設定温度を下げた運転として下さい。

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